長崎の飯田直樹法律事務所

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遺留分割

<遺産の種類>

遺産は大きく下記に分類されます。
 
①遺産分割を要するもの
 現金、不動産、動産、借地借家権、株式、ゴルフ会員権など
 
②相続分に応じて当然に分割されるもの
 金銭債権、金銭債務
 
③「祖先の祭祀を主宰すべき者」への単独承継が規定されているもの
 お墓、位牌、仏壇、家計図など

<遺産分割の時期>

遺産分割の時期については、相続開始後であれば法律上の期間の定めはありません。 被相続人が遺言により分割を禁止していない限り、いつでも自由に分割を請求することができます。
もっとも、被相続人の死亡後、あまりに時間が経ってしまいますと、遺産が散逸したり、相続人が死亡して更に相続が発生してしまうなどして権利関係が複雑になってしまう恐れがありますので、速やかに分割協議を行なうことが重要です。

<遺産分割の態様>

●遺言による分割・・・被相続人が遺言で遺産の分割の方法を指定していた場合は、通常、その指定に従って分割します。 また、遺言により、遺産の分割の方法の指定を第三者に委託することもできます。
 
●協議による分割・・・遺言が見つからない場合や、遺言に記載されていない財産がある場合には、共同相続人全員の協議できめます。相続人全員の合意があれば、必ずしも遺言による指定や民法に規定されている法定相続分に従う必要はありません。
 
●調停・審判による分割・・・協議がまとまらないとき又は協議をすることができないときは、家庭裁判所に遺産分割を請求することができます(民法907条2項)。家庭裁判所への請求は、通常はまず調停を申し立て、家庭裁判所において協議をすることになります。調停がまとまらない場合は審判手続に移行します。

<分割することが困難な遺産>

被相続人の遺産は居住していた不動産だけで現実に分割することができない、といった場合、現物分割、代償分割、換価分割の3種類の方法があります。
 
●現物分割:遺産をあるがままのかたちで分割する方法。
●代償分割:一人又は数人の相続人に、その者の相続分を超える遺産を現物で取得させ、代わりに(代償として)相続分に満たない遺産しか取得しない相続人に対し代償金を支払う方法。
●換価分割:不動産など遺産の一部または全部を売却して、その代金を相続人で分ける方法。
 
代償分割又は換価分割を検討することになります。
※裁判例によると、代償分割によるには、以下の要件が必要です。
 
①遺産が細分化を不適当とすること。
②共同相続人間に代償金支払の方法によることの争いがないこと。
③遺産の評価がおおむね共同相続人の間で一致していること。
④遺産を取得する相続人に債務の支払能力があること。
※代償金の支払は後日のトラブルを防ぐため、できるだけ一括払いとするようにしましょう。

<遺産分割の手順>

遺産分割を行うにあたっては、①相続人の確定、②遺産の範囲と評価の確定がまず必要となり、その後③各相続人の具体的相続分の確定に向けて話し合いをすることになります。
 
①相続人の確定
遺産分割協議は相続人全員で行わなければならず、相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は無効です。また、包括受遺者や相続分の譲受人がいるときは、それらの方も協議に参加しなければなりません。 
相続人を確定するには被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍などをもれなく取寄せて確認することが必要です。
 
②遺産の範囲と評価の確定
分割すべき遺産の範囲が決まらなければ分割は困難となりますが、ある財産が被相続人の遺産なのかどうか、相続人の間で問題となることがよくあります(被相続人の名義だが生前に貰っていたなど)。この点について話し合いがつかなければ、家庭裁判所の審判や通常の民事訴訟で争われることになります。
また、遺産の評価でよく問題となる不動産は時価を不動産業者に簡易査定して貰って決めることが多いですが、正式に評価する場合は、不動産鑑定士に鑑定を依頼することになります。
相続の開始から現実の遺産分割までに相当な期間が経ってしまった場合、その間に遺産の評価が大きく変動していることがありますが、通常は現実に分割する時点で評価するものとされています。
 
③具体的相続分の確定
遺産分割の話し合いにおいては、相続人全員が合意すれば、法定相続分に関係なく自由に相続分を決めることができます。遺言がある場合に、遺言と異なる遺産分割をすることも可能です。ただし、遺言執行者がある場合には、遺言執行者を加えたうえで成立させるべきとされています。
 
④遺産分割協議書の作成
各相続人の間で遺産分割の話し合いがまとまったときは、遺産分割協議書を作成します。 遺産分割協議書は、将来の紛争を防止するという目的のほか、不動産の登記や相続税の申告、銀行預金の払い戻しなどの手続に必要となりますので、必ず作成する必要があります。

<相続人間の公平>

相続人間の公平を保つための制度として、特別受益(民法903条)及び寄与分の制度(民法904条の2)があります。
相続分は通常法定相続分によって決まりますが、これらの制度によって修正されることがあります。

<特別受益の制度>

相続人の中に生前贈与や遺贈を受けた人がいるとき、これらを無視して相続分を計算すると不公平となります。このような場合は、遺産から相続分の前渡しを受けた、と評価して実際の相続分を決めます。これを「特別受益の持戻し」といいます。
持戻しの対象となるのは、「遺贈」や「相続させる遺言」により承継された財産のほか、「婚姻又は養子縁組のため又は生計の資本としての贈与を受けた財産」などです。具体的には、婚姻の際の持参金、住宅購入資金、学資などが挙げられます。
持戻しの対象となる財産がある場合の遺産分割は、相続開始時の遺産に、持戻しの対象となる前渡しされた遺産の額を加え、その合計を法定相続分に従って分割します。
但し、被相続人が、遺言などで持戻しを免除する意思表示をしていた場合、持戻しの計算をしなくてもよいことになります。この場合は、単に相続開始時の遺産を法定相続分に従って分割することになります。

<寄与分の制度>

寄与分の制度とは、共同相続人の中で、被相続人の財産の維持や増加に「特別の寄与」をした者がいる場合に、遺産の評価額から寄与分の額を控除したものが、相続される財産として遺産分割の対象とする制度です。
特別の寄与をした者の相続分は、上記財産に相続分の割合を乗じて算出した額と寄与分の額を足したものとなります。

<義理の父又は母への貢献>

夫の死亡後、夫の母(義母)を長年にわたり療養看護したのちに、義母が亡くなるといったケースがあります。
被相続人の財産の維持・増加について特別の寄与をした相続人がいる場合、その相続人には、寄与分として、本来与えられる相続分に加えて寄与に応じた補償が与えられます。
しかしながら、寄与分が認められるのはあくまでも「相続人」であることが必要であるため、相続人ではない場合は与分はもちろん、相続権もありません。
従って、義母が、その財産を療養看護に努めた方に残したいとお考えであるなら、早急に義母と養子縁組をするか、相当な財産をあなたに遺贈する旨の遺言を作成してもらうようにしましょう。
専門家にご相談されることをお勧めします。

<相続人に未成年者がいるとき>>

未成年者は、単独では有効な法律行為をすることができず、法律行為を行うには法定代理人が代理するか、法定代理人の同意が原則として必要です。そして法定代理人には通常親権者がなります。
遺産分割の場合、協議は共同相続人の間で被相続人の遺産をどう分けるかという問題ですので、実際には対立がなくとも、客観的外形的には共同相続人間に利害対立があることになります。
従って、ある相続人が他の相続人を代理して遺産分割協議をすることは許されず、共同相続人の中に未成年者がいる場合には、たとえ親権者であっても、子である未成年者の代理をすることは、その未成年者の利益を害するおそれがあり、許されないことになります。
このような場合、親権者は子のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
未成年者が2人いれば、それぞれについて特別代理人の選任が必要です。
未成年者が相続放棄をする場合も、親権者との間で外形的に利害対立があります(親権者の相続分が増大する)ので、特別代理人の選任が必要です。
特別代理人には、相続人でない親族(おじ、おば等)や弁護士が選任される場合があります。 特別代理人を選任しないでなされた遺産分割協議は、無権代理行為として未成年の子が成人に達した後に追認しない限り無効となります。

<他家に養子に行った者の相続>

養子縁組とは、血縁関係では親子でない者を法律上の親子としてしまう制度です。わが国では、普通養子と特別養子の2種類があります。
普通養子は、養子になった後も実方との親族関係はそのまま存続しますが、特別養子は実方との親族関係が終了しますので、縁組の日から当然に実方との間の親権・扶養・相続の関係も消滅します。これは特別養子が、実親が経済的に困窮していて子育てが著しく困難な状態であったり、子供を虐待しているような場合に、家庭裁判所が「子の利益のために特に必要がある」と認める場合に審判により成立させるもので、6歳未満の子を保護することを目的としているからです。
従って、普通養子であれば、実親と氏や戸籍が異なっていても、共同相続人として実方について平等の相続の権利があります。養親との相続関係は、実親に対する相続の権利とは別個の問題であり、仮に養親を相続していたとしても、実親についての相続には影響を及ぼしません。つまり、実方・養方と二重に相続できることになります。
一方、特別養子の場合は、養方の相続のみが可能となります。

<遺産分割における胎児の地位>

胎児は、相続について「既に生れたものとみなす」とされています(民法886条1項)。したがって胎児も相続権があることになりますが、この規定は「胎児が死体で生れてきたときは、適用しない」(同2項)とされていますので、胎児が生きて生まれてくれば、相続の開始時にその子が既に生まれていたものとみなし、相続人となることが認められます。
従って、流産・死産などの理由で胎児が生きて生まれなかった場合は、相続については、最初から胎児はいなかったものとして取り扱われることになります。
また、生きて生まれてきたときに、相続開始時にさかのぼって既に生まれていたものとみなされるわけですから、出生するまでは、胎児を代理して遺産分割協議をすることはできません。
胎児の出生後に遺産分割をする場合であっても、母親と子は形式的には相続に関し、利害が対立することになりますのでたとえ親権者であっても子を代理して遺産分割協議をすることはできません(参照:「5 相続人に未成年者がいるとき」)。母親が相続放棄をしない限り、通常は、特別代理人の選任が必要となります。

<相続人に認知症の方がいる場合>

相続人の中に認知症などで判断能力がない者がいる場合には、その方のために家庭裁判所に後見開始の審判を申立てて成年後見人を選任してもらい、成年後見人と遺産分割の協議をすることができます。
成年後見人は、本人の財産に関する法律行為全般について包括的な代理権が認められていますので、遺産分割協議を行うに際して、本人の同意はいりません。もし、認知症の本人が自ら遺産分割を行ったときは、成年後見人はその遺産分割を取り消すことができます。
なお、「保佐」、「補助」の場合は、保佐人や補助人が遺産分割を代理するには、保佐(補助)開始の審判とは別に遺産分割の代理権を保佐人(補助人)に付与する旨の審判が必要になります。

<相続人の1人が行方不明のとき>

既に述べたとおり、遺産分割協議は、相続人全員で行わなければならず、相続人の一人でも欠いた遺産分割協議は無効です。
従って、相続人の1人が行方不明(又は連絡が取れない)からといって、その行方不明の者を欠いて遺産分割協議をしても無効となります。
では、このような場合に遺産分割協議をするにはどのように対応すればいいのでしょうか。
 
①失踪宣告の審判
不在者の生死が7年間明らかでないとき、利害関係人は、家庭裁判所にその者の失踪宣告をしてもらうことができます(民法30条1項)。失踪宣告がなされると、その不在者は、不明になってから7年経過したときに死亡したものとみなされます(民法31条)。従って、その不在者の子がいる場合には、その子を不在者の相続人として遺産分割協議に加え、子がいない場合は、他の相続人の間で分割協議をすることになります。
 
②不在者財産管理人を選任する。
生死不明の状態が7年に満たない場合や、行方不明ではあるけれども連絡が取れないだけで、どこかで生きているのは確実であるという場合には失踪宣告の申立はできません。また、失踪宣告の要件を満たしていても、「死亡したものとみなす」ことへの家族感情などから、失踪宣告は申し立てたくないという場合があります。
このような場合、利害関係人は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申立て、その選任された財産管理人が不在者に代わって遺産分割協議をすることができます(民法25条)。
不在者財産管理人には、第三者(利害関係の無い他の親族、弁護士等)が選任される場合が多いようです。

<遺産分割協議書作成にあたって注意すべきこと>

遺産分割協議書を作成する際には、以下の事項に注意するようにしましょう。
 
★誰がどの遺産を取得するのかを明記する。
★不動産は、登記事項証明書(登記簿謄本)のとおりに記載する。
★預貯金は、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号を明記する。
★住所の記載は、住民票の記載のとおりに記載する。
★現在判明していない遺産が今後見つかった場合、誰が取得するのかについても決めておく。
★各相続人は自筆で署名し、実印を押捺して印鑑証明書を添付する。
★協議書が1枚の用紙で足りずに複数枚になった場合は、各用紙の間に相続人全員の契印(割り印)をする。
★印紙は貼る必要が無い。

<現金の相続>

遺産の内容としての現金は、遺産分割の対象となります。最判平4.4.10は、「相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできないと解するのが相当である」旨判示しました。
従って、相続人は、法定相続分に応じた金員の引渡しを求めることはできないとされています。

<預貯金の遺産分割>

預貯金などの金銭債権(払い戻しの請求権)は、判例(最判昭29.4.8)によると、相続開始と同時に各相続人に法定相続分に応じて当然分割され、各自に帰属するとされています。各相続人は、遺産分割協議をしなくても、相続分に応じた権利(払戻請求など)を取得するとされているのです。
そうしますと、各相続人は銀行等の金融機関に対し単独で自己の相続分についての払戻請求ができることになりそうです。
しかしながら、実際の金融機関の実務はこのような判例の立場に従っておらず、銀行所定の払戻請求書に相続人全員の印鑑証明書を添えて払戻し請求するよう求めたり、相続人全員の同意書や遺産分割協議書の提出がなければ、相続人1人からの払戻請求には応じないといった厳格な手続を要求しているのが実情です。 これは、金融機関としては、二重払いの危険を避けたいという理由のほか、後日の相続人間のトラブルに巻き込まれたくないという理由もあるようです。
具体的な手続きについては、各金融機関によって異なりますので、事前に金融機関の担当者に問い合わせをしておく必要があります。
なお、判例は上記のとおり、預貯金は当然分割という立場を取っていますが、相続人全員の合意があれば、遺産分割の対象として差し支えないとされており、実務においては預貯金を含めた分割協議を行うことが大半です。

<郵便局の定額郵便貯金の相続>

旧郵便局の定額郵便貯金債権が、遺産確認の訴えの対象となるかどうかについて、最高裁で、肯定の判断がなされました(平成22年10月8日最高裁第二小法廷判決)。 預金債権などの金銭債権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されて共同相続人の分割債権となり、遺産分割の対象とはならないとされています。一方で、郵便貯金法改正前の郵便貯金法7条1項3号は、定額郵便貯金は、分割払戻しができないという制限を付していました。
そこで、定額郵便貯金債権についても,上記と同様に当然に分割され、遺産分割の対象にはならないのかが争われました。
最高裁は、大量の事務処理を迅速かつ画一的に処理する必要上、預入金額を一定額に限定し、貯金の管理を容易にして、定額郵便貯金に係る事務の定型化、簡素化を図るという郵便貯金法の趣旨から、定額郵便貯金債権は、その預金者が死亡したからといって、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないと判断しました。
したがって、旧郵便局の定額郵便貯金については、預け入れの日から起算して10年が経過するまでの間は、共同相続人は分割払戻請求をすることはできないことになり、同じ可分債権である銀行預金債権とは取扱いが異なることとなりました。
 
郵便貯金法は、平成19年10月1日、「郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(郵政民営化法)の規定により、廃止されましたが,整備法附則5条によって郵便貯金法7条等の規定は引き続きその効力を有するとされました。そのため,同日より前に預け入れた定額郵便貯金については、分割払戻しができない等、従前と同様の取扱いが継続されています。
上記最高裁判決は、このような定額郵便貯金についての判断です。

<株式の遺産分割>

遺産の中に株式があった場合、株式は、預金債権のように相続開始時に法定相続分に応じて当然に分割されるわけではなく、遺産分割協議が必要になります。 
遺産分割協議が成立した後、株式の取引口座の移管手続と株主名簿の名義変更手続が必要となります。手続に必要な書類については、各証券会社、発行会社の名義書換代理人である各信託銀行等によって異なりますので、事前に相談しておくようにしましょう。
 
1.取引口座の移管
被相続人が上場株式など有価証券の取引のために開設した口座については、被相続人(遺言者)の取引口座がある証券会社に連絡し、当該被相続人の取引口座の内容を相続人の取引口座に移管する手続が必要となります。
 
(1) 遺産分割協議により、株式の権利を取得した特定の相続人が単独で移管を請求する場合
 ①相続人全員の実印が捺された遺産分割協議書
 ②相続人全員の印鑑証明書
 ③被相続人の出生から死亡までの除籍謄本
 ④相続人の戸籍謄本
 ⑤取引証券会社所定の相続手続関係書類
 ⑥取引証券会社所定の取引口座開設関係書類
 
(2) 遺言により株式の権利を取得した特定の相続人又は受遺者が、単独で移管を請求する場合
 ①遺言書又はそのコピー(裁判所の検認調書が必要な場合あり)
 ②遺言者の出生から死亡までの除籍謄本
 ③(移管を受ける)相続人又は受遺者の印鑑証明書
 ④取引証券会社所定の相続手続関係書類
 ⑤取引証券会社所定の取引口座開設関係書類
 
2.上場株式の株主名簿の名義変更
上場株式の相続後、その相続人が株主としての権利(配当を得るなど)を行使するためには、発行会社の株主名簿の名義書換代理人である信託銀行等に連絡し、発行会社の株主名簿の名義変更が必要です。
 
(1) 遺産分割協議により、株式の権利を取得した特定の相続人が単独で名義変更を請求する場合
 ①相続人全員の実印が捺された遺産分割協議書
 ②株券(株券不発行の場合は不要。以下同じ)
 ③相続人全員の印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの。以下同じ)
 ④被相続人の出生から死亡までの除籍謄本
 ⑤相続人の戸籍謄本
 ⑥株主名義書換請求書兼株主票
 
(2) 遺言により株式の権利を取得した特定の相続人又は受遺者が、単独で名義変更を請求する場合
 ①遺言書又はそのコピー(自筆遺言の場合、裁判所の検認調書を求められることあり)
 ②株券
 ③遺言者の出生から死亡までの除籍謄本
 ④(名義変更を申請する)相続人又は受遺者の印鑑証明書
 ⑤株主名義書換請求書兼株主票

<借金の相続>

亡くなった方(被相続人)が借金(債務)を負担していた場合、マイナスの財産である債務は、相続開始と同時に共同相続人にその法定相続分に応じて当然に承継するとされています。
遺産分割協議によって、その借金の分配を決めるものではありません。
もっとも、実際上は、例えば事業を承継する相続人が事業上の借入金債務を引継いだり、不動産を取得する者が住宅ローンを引継いで支払うといったケースもあるでしょう。このような場合、誰が債務を引継ぐかを協議によって合意することは、相続人の間では有効となります。
しかしながら、債権者との関係では、例えば、相続人の一人が被相続人の債務を全部引継ぐと決めたとしても、債権者である銀行などの承諾が得られない限り、当然にはそれを主張できません。仮にこのようなことが認められるとすると、相続人間で決めた債務の負担者に全く資力が無い場合に、債権者の債権回収が不能になる一方、他の相続人は被相続人の資産を引き継ぐといったことが可能となり、公平を欠く事態を招きかねないからです。したがって、債権者の承諾(免責的債務引受)が得られない限り、相続人は債権者からの相続分に応じた請求を拒むことはできません。
従って、債権者の承諾が得られず、借金が多額である場合には、相続放棄を検討しなければならない場合も出てくることになります。
 
※住宅ローンの相続については、最近では、住宅ローン契約の締結と同時に団体信用生命保険に加入している場合が多いと思われます。この場合には、ローン債務者が返済途中に死亡した場合には、ローンの残金は保険会社が支払いますので、ローンが相続人に引継がれることはありません。

<生命保険金と遺産分割>

被相続人が相続人に対して生命保険金の受取人としていた場合、この保険金について遺産分割の対象にはなりません。
保険金受取人として特定の人が指定されている場合、受取人は、保険契約の当然の効果として、保険金請求権を取得します。相続人としてではなく、受取人として、あくまでも保険契約における固有の請求権として取得することとなりますから、相続財産とはならず、遺産分割の対象にはなりません。従って、基本的には遺産分割の必要はありません。
なお、保険金受取人が、単に「相続人」と指定されている場合、判例は、特別の事情がない限り、受取人は保険金請求権が発生した当時の相続人全員となり、各相続人が法定相続分の割合で請求権をそれぞれ固有の権利として取得するとしています。

<生命保険と特別受益>

相続人の1人が生命保険金を受け取った場合、その生命保険金は特別受益として、遺産の総額を算定する際に持戻し加算の対象となるのか、という問題があります。
最高裁は、生命保険金については、原則として持戻しの必要はなく、保険金の額や遺産総額との比率、受取人と被相続人の関係などの諸要素を総合考慮し、相続人間に持戻し制度の趣旨に照らして到底認めることができないほどの不公平が生ずるなどの特段の事情がある場合に、例外的に持戻しを認めるべきとしています。

<分割前の遺産から生じる家賃収入>

被相続人が賃貸マンションなどの収益物件を所有していた場合、遺産分割が成立するまでの間も、賃料収入が入ってきますが、これらは、どのように処理すべきでしょうか。
近時の最高裁判例は、「賃貸不動産から生じた賃料収入は遺産とは別個の財産であって、各共同相続人がその相続分に応じて取得し、この権利は後の遺産分割の影響は受けない」と判断しました。
従って、後に相続人の1人が賃貸マンションを取得することになっても、遺産分割が成立するまでの賃料収入は相続人が相続分に従って取得することになります。
今回の賃料収入は、相続が開始したときに存在していたものではありませんので、厳密には遺産ではないので、遺産分割協議の対象とすべきでないという見解もあります。
しかし、賃料収入を除外して遺産分割をすることは、結局、別個に共有物の分割協議をするということになり、二度手間となって煩雑ですし、遺産全体の問題を一挙に解決すべきという要請にも反することになります。
したがって、実務上は、共同相続人全員で合意があるときは、賃料のほか、配当収入、預金利息等の法定果実も遺産と一括して遺産分割の対象とすることが一般的です。

<遺産に属する不動産に住み続けることは可能か>

夫が所有していた不動産に暮らし続けるとき、相続権を分けあっている子どもからの立ち退き要請や賃料請求をされることがあります。
相続が開始すると、あなたが夫と暮らしてきた不動産は、あなたと子2人の共有となります。 結論を申しますと、遺産分割がまとまるまで、不動産を明け渡す必要はありませんし、賃料を支払う必要もありません。
最高裁判決は、「被相続人と同居してきた相続人は、相続開始後も遺産分割までは無償の使用貸借を被相続人と合意したと推定される」としています。
他の相続人からこのようなことを言われた場合には、一度、専門家にご相談されることをお勧めします。

<遺言と違う遺産分割>

遺贈や「相続させる遺言」が存在しますと、相続が開始すると、当該財産は、直ちに指定された相続人の所有とする効力があります。
しかしながら、相続人全員が合意すれば、遺言と異なる分割方法を取ることも可能です。
遺言によって財産を取得した者は、遺言によって得た利益を放棄することができ、放棄すると、当該財産は、相続開始のときにさかのぼって相続人の共有の状態に戻るため、全員の合意によって、あらためて分割協議ができることになります。

<遺産分割後に遺言を発見した場合>

遺言を見つけたときには、検認等の手続をまずしなければなりませんので注意しましょう。
発見された遺言の内容が、相続財産の全部又は一部を、ある相続人に相続させるか、遺贈する遺言であった場合には、その財産は、遺産分割の対象となりません。従って、そのような財産を含む遺産分割協議は、原則として無効となります。
もっとも、相続させるとされた相続人や受遺者が権利を放棄し、分割協議どおりでよいという場合には、分割協議は無効になりません。

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